●水木炎

 

主人公

その名の通り、炎のような熱さと水のごとくクールな面を持つ青年。類まれなる野球センスを持つが、暴力事件から居場所を無くし自堕落な日々を送っていた。しかし江川卓の投球練習に乱入した事で運命が一変する。

 

●長島茂雄監督

 

巨人軍監督

練習中に突如乱入してきた炎に関心を持ち、前歴を調査。後に星飛雄馬へ彼の入団テストの全権を委任する。勘で動くタイプの炎とは気が合うようである。球団の成績は低迷しており苦境に立たされている。

●馬耳念仏朗

 

炎の親友

関西弁が特徴的で、炎の事を「炎やん」と呼ぶ。様々な登場人物から顔の長さについて言及される事多し。炎への対抗心と嫉妬から広島カープ入団テストを受ける。

●風吹梢

 

女子プロ野球チーム「ピンク・ハリケーンズ」のエース。炎に好意はあるようだが、今は野球を優先。プロ意識は高く、時として相手を利用する事も必要であるという考えを持つ。

●沢田修

 

どの球団にも属さないプロ野球フリー・スカウト。長島監督の命により水木炎を調査し、その破天荒な前歴に驚く。意外と話の分かる人物であり、炎や馬耳の世話を焼く。

●江川卓

 

ドラフト制度の盲点を突き、世間を大いに騒がせた「江川事件」を経て、1979年(昭和54年)に巨人軍へ入団した超大型新人。合理主義者的言動が目立つ。

●青田昇ヘッドコーチ

 

「地獄の伊東キャンプ」で巨人軍若手選手達を徹底的に鍛える鬼コーチ。「ジャジャ馬」の異名を持つ。炎に投打共に容赦の無い特訓を強いる。会話のノリが良い。

●ビッグ・O(ジム・オートン)

 

大リーグ各球団がスカウト合戦を繰り広げる恐るべき強打者。姉であるマギーに恥をかかせたホノオ・ミズキへの復讐に燃えて来日。沢田の交渉により成績の低迷する中日ドラゴンズへ入団。

●花形満

 

宿命のライバルである星飛雄馬に喧嘩を売った「素人」炎の前に突如現れる。ケンカ野球など子供の遊戯と一笑に付し、圧倒的な実力差で叩きのめす。

 

●左門豊作

 

花形と共に登場。炎が星飛雄馬に喧嘩を売るなど十年早いと完膚なきまでに打ち崩し、彼にしては珍しく挑発的な言葉を残し立ち去る。

 

●星一徹

 

星飛雄馬の父。長島の回想シーンに登場。右投手としての限界を知り苦悩する息子の前に現れ、親子二代の野球人生は終わったと冷酷に言い放つ。その真意は・・・

●星飛雄馬

 

1976年(昭和51年)に右腕投手として奇跡のカムバックを果たす。3年目にして禁断の新魔球を開発するが打ち破られ、ついに投手としての限界を知る。苦悩の果てに、無限の可能性を秘めた炎に賭け、敢えて二軍コーチに就任。執念の鬼となり入団テストを行う。


 

第1章 「春雷編」 登場人物

 

●マスコミ関係者

始めて長島監督の前で投球練習を行う江川に注目するも、マイペースで調整を続ける姿に不満を漏らす。

●野次る男

江川に対して野次っていた所に乱入してきた炎を見て、いいぞ若いの!と煽る。

●炎の知人

江川卓の球を打ち返したら一万円ずつ支払うという賭け事を行っていた。本当に実行した炎に渋々支払う。

●チャコ

ディスコ内で炎に2度アプローチをかけるも敢え無く振られてしまう女性。

●飛竜軒店員

流行曲を歌いながら自転車で炎と馬耳にラーメンを届ける。意外と口が悪い。

●怒る主婦

馬耳が配達してきたラーメンのスープが全部こぼれていると怒る。

●美希

飛竜軒の娘で炎の事が好き。花形満のファンでもあるが、目の前で炎の投げる球を滅多打ちにする花形を見てショックを受ける。

●王貞治

 本作では史実の不振の影響か出番は少ない。第4章「死闘編」でその鋭いスイングに馬耳が震えるシーンが印象に残る。

●食堂車の店員

大阪行の新幹線の食堂車に勤務。馬耳のデリカシーの無い言葉に怒った様子。

●ピンク・ハリケーンズ監督

スカウト、記者で編成されたチームとの試合で梢に水木炎を敬遠するよう指示するが拒否されてしまう。


 

第2章 「奔流編」 登場人物

 

武宮敏明寮長

巨人軍寮長。炎に贈られた「背番号96」の意味を説く。本作では出番が多く「バカタリ!」と炎を叱る事多し。

●岩本尭(たかし)二軍監督

炎を鍛えながら投手と打者のどちらで育成するか判断しようとするが、本人が二刀流を目指すと言い出し困惑する。

高橋義正二軍コーチ

巨人に入団した炎を200球の投げ込み、200本の打ち込み、200本のノックで歓迎する。

●子供たち

 多摩川グラウンドで背番号96の知らない選手(炎)が大リーグボール養成ギプスを着けて投球しているとは知らず、スピードの無い球を見て馬鹿にする。

●炎の同室の選手

 炎と同じ部屋で就寝するも、酷いイビキ公害により眠れず。

福士敬章 

広島カープ投手。炎の一軍デビュー戦最初の相手となるが、いきなりデッドボールとなり、バットを持った炎に追いかけられる。

●ピンク・ハリケーンズ選手

梢は馬耳に気があるのか?というチームメイトの疑問を完全否定する。

●江夏豊

広島カープの偉大なリリーフエース。調子に乗った炎を巧みなピッチングで手玉に取り、プロの厳しさを見せつける。

飛竜軒店員たち

来店したピンク・ハリケーンズのエース・梢からサインを貰い、馬耳に自慢する。

古葉竹識監督 

広島カープ監督。江夏の助言もあり、新人テストを受けにきた馬耳の入団を認める。


 

 

第3章 「風雪編」 登場人物

 

●コニー 

アメリカン・ドリームのエース。「プリティ・ベアー」の異名を持つ。炎を気に入り猛烈なアプローチをかける。

●マギー 

アメリカン・ドリームスの強打者で「テリブル・エンジェル」の異名を持つ。コニーと同じく炎を気に入り騒ぎを起こす。ビッグ・Oの姉。

●野次る男 

日米女子野球の試合で手も足も出ない梢を野次る。馬耳の怒りを買い逃走。

●ベルボーイの男 

「HOTEL NEW JAPAN」勤務。炎に頼まれ、コニーのマギーに何処に行くのか確認する。

●ドアボーイの男 

ディスコ「六本木プラザ」勤務。大の巨人ファンで、炎の言葉をコニーとマギーに英訳して伝える。

●週刊誌記者

コニーとマギーとのスキャンダルを記事にしようと炎に突撃するが、怒りを買い逃走。

●球団職員 

世間を騒がした炎に球団の意向として無期限謹慎を命ずる。

●バイク乗りたち

謹慎中で一人自主トレ中の炎を茶化すが、バットを持ち出した炎に襲われると勘違いして逃走。

●一軍コーチ 

宮崎キャンプ中、打撃投手役の後は一休み入れるつもりだった炎に、投打二刀流を忘れたのかと続けて外野を守らせる。

●スコアラーたち 

広島カープ所属。巨人の宮崎キャンプを偵察し、古葉監督へ報告する。

●林泰宏

紅白戦で好投を見せ、スタンドより「巨人の星」と呼ばれ、長島監督も「星飛雄馬の再来」と高く評価する。

●サム・パラーゾ 

ヤクルトスワローズ所属。花形と同じ背番号3の選手。好調の炎に打ち取られる。

●掛布雅之

 阪神タイガース四番打者として本作では僅かに登場。炎にペースを乱され三振に打ち取られる。


 

第4章 「死闘編」 登場人物

 

福嶋久晃 

大洋ホエールズ捕手。炎の鼻に出来た引っ掻き傷は何だと問いかけるが、「モテないあんたの予想通り彼女にやられたの」と返され立腹。まんまとヒットを許す。

●広島カープ首脳陣

馬耳だけが知る打者としての炎の致命的弱点を正捕手・水沼へ伝えるよう促すが拒否される。

●野次る観客 

判断ミスから炎を塁に出した馬耳に容赦のない野次を浴びせる。

●アナウンサー

広島カープが打者・炎を封じる為にとった独特のシフトに驚く。

●派手なシャツのアナウンサー

長島ヒラメキ作戦により特大サイズのユニフォームで登板した炎に仰天する。なぜか派手な格好。

●ロイ・ホワイト 

非公式に突如来日した強打者ビッグ・Oの正体を巨人ナインに説明する。

●山西春子 

自民党公認。参議院選挙を前に最後のお願いに来たと街頭で演説する。

●中日ドラゴンズのお偉方 

低迷する球団の為にも是非ともビッグ・Oが欲しいと沢田に頭を下げる。

●下衆な記者

見た目通りの軽薄な印象で入団したビッグ・Oに姉・マギーのスキャンダルの質問を繰り返し怒りを買う。

●佐々木信也 

「プロ野球ニュース」アナウンサー。ビッグ・Oの百発百中の投手返しを報道する。

●堀内恒夫 

各球団の脅威となったビッグ・Oの投手返しを恐れず立ち向かい、炎に「巨人魂」を見せつける。

●英訳する観客 

炎の暴言をわざわざ英訳してビッグ・Oに伝え、乱闘騒ぎの原因を作る。